生きるって、とってもとっても忙しい
書道界の重鎮を殴ってしまった罪により、日本最西端の島・長崎県の五島に島流しにされた若きイケメン書道家・半田清舟(23歳独身)。自炊なんてしたことない、台所に立てば玉ねぎは血まみれ、カレーすらまともに作れない半田先生。慣れない田舎生活を始めた「先生」の前に、元気いっぱいな島のこどん(五島の方言で「子ども」の意)・なるが現れる。玄関から入ってこない来客、「鍵なんてかけんよ」よそ者への警戒心なんて皆無な村人、ナメてはいけない田舎の情報網。都会育ちのツンデレ先生と、器のおっきすぎる島民たちが繰り広げる、息つく暇ないアイランドコメディ。
虫ダメ、びびり、唯一の取柄は書道だけ、ツンデレというよりむしろツンダメな半田先生と、天真爛漫な最強島こどん・なるの交流にほっこり爆笑。村の郷長とその奥さん、金髪以外には特に特徴のない高校生・ヒロシ、中学生の美和とタマ、すぐ泣くなるの親友・ひな、出てくるキャラクターも超個性的。そんな島民に囲まれて生活するうちに、先生の心も徐々に変化、成長していく。普通の日常が意外と幸せだったり、何にもないから何でも楽しかったり。忙しない日常の中で忘れかけていたものを、ふっと思い出させてくれる作品。作中には五島のうまかもん(美味しいもの)もいっぱいなので、現地に行って食べてみたくなること必至。