ばらかもん / Barakamon

ばらかもん / Barakamon

『ばらかもん』とは、2008年4月号に『ガンガンパワード』(スクエア・エニックス)で読み切り掲載された、ヨシノサツキによる青春漫画である。本作品は読み切り掲載後の反響が大きく、2008年10月号に2話と2009年4月号に3話が掲載され、ウェブコミック配信サイトの『ガンガンONLINE』で2009年2月から2019年1月まで連載された。また『月刊少年ガンガン』でも、WEBで発表された作品が2014年8月号から2019年1月号まで掲載された。コミックスは全19巻刊行され、累計発行部数は480万部を超えた。
物語は問題を起こした書道家の半田清舟(はんだ せいしゅう)が、都会から長崎県の五島列島に送られ、島の人たちとの交流の中で自分を見つめ直し再起していく姿を描いている。タイトルの『ばらかもん』は、五島列島の方言で「元気もの」の意味である。テレビアニメは2014年7月から9月まで放送され、半田清舟の声を小野大輔が担当した。また2023年にはドラマ化された。

yamatakkuのレビュー・評価・感想

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ばらかもん / Barakamon
8

生きるって、とってもとっても忙しい

書道界の重鎮を殴ってしまった罪により、日本最西端の島・長崎県の五島に島流しにされた若きイケメン書道家・半田清舟(23歳独身)。自炊なんてしたことない、台所に立てば玉ねぎは血まみれ、カレーすらまともに作れない半田先生。慣れない田舎生活を始めた「先生」の前に、元気いっぱいな島のこどん(五島の方言で「子ども」の意)・なるが現れる。玄関から入ってこない来客、「鍵なんてかけんよ」よそ者への警戒心なんて皆無な村人、ナメてはいけない田舎の情報網。都会育ちのツンデレ先生と、器のおっきすぎる島民たちが繰り広げる、息つく暇ないアイランドコメディ。
虫ダメ、びびり、唯一の取柄は書道だけ、ツンデレというよりむしろツンダメな半田先生と、天真爛漫な最強島こどん・なるの交流にほっこり爆笑。村の郷長とその奥さん、金髪以外には特に特徴のない高校生・ヒロシ、中学生の美和とタマ、すぐ泣くなるの親友・ひな、出てくるキャラクターも超個性的。そんな島民に囲まれて生活するうちに、先生の心も徐々に変化、成長していく。普通の日常が意外と幸せだったり、何にもないから何でも楽しかったり。忙しない日常の中で忘れかけていたものを、ふっと思い出させてくれる作品。作中には五島のうまかもん(美味しいもの)もいっぱいなので、現地に行って食べてみたくなること必至。