グルメマンガ?ジャンルは何なのだろう?だが確実に面白い!重厚な騎士の旅の物語「辺境の老騎士バルド・ローエン」
時代が昭和から平成、令和と移り変わるように。マンガを読んでいた少年が大人になり、結婚して子を持ち、その子供がまたマンガを読んでゆくように。時が流れるにつれ、マンガも様々な変化を重ねてきました。
「ドラゴンボール」に代表されるバトルものが主体であった、「少年ジャンプ」。「GTO」などが流行った、ヤンキーものが代表される「少年マガジン」。高橋留美子やあだち充が時代を作った、恋愛ものの「少年サンデー」。時代により多様なジャンルのマンガが生まれ、それぞれ流行を作っていきました。
そんなマンガのジャンルの中で、近年脚光を浴び始めたグルメマンガ。古くは「美味しんぼ」、少々マニアックな「孤高のグルメ」、グルメとヤクザの異色タッグ「極主夫道」、異世界系の「異世界居酒屋のぶ」など、ひとえにグルメマンガといっても、多岐にわたるストーリーが描かれています。そんなグルメマンガの中で最近のおすすめが、Webマンガ「マガポケ」で連載中の「辺境の老騎士バルド・ローエン」です。群雄割拠のグルメマンガの中で、何がそこまで引き付けるのか?その魅力を紹介していきます。
さて、この「辺境の老騎士バルド・ローエン」。グルメマンガといいつつも、作中で様々な要素を持っています。
まず騎士とある通り、メインは騎士の戦いの物語であります。騎士として仕えていた国を、陰謀の為に自ら去り、旅を続けながら策謀と戦い、自身の正義をなします。重厚な作画でありながら、軽妙で読みやすい部分もあり、やはり戦闘では迫力のアクションが作品を輝かせます。騎士の旅と戦いの物語としてだけ見ても、非常に楽しめる作品です。
そして序盤を抜けると、旅の要素が強くなってきます。訪れた旅先々で問題を解決し、また戦いで獣を打ち倒します。行く国々でも貴族特有の陰謀があり、それを解決していく姿は、例えるならば「水戸黄門」です。主人公自身が公平な精神の持ち主の為、そのような勧善懲悪の物語が生えます。
そうしたストーリーの中、メインなのかサブなのか?このマンガにスパイスを加えているグルメ要素が多く描かれています。
主人公は黄門様と格さんを足して割った、お堅い正義漢です。ですがこの主人公、実は八兵衛要素が一番強い、いわゆる食いしん坊さんなんです。
民を助けては腹が減り。悪を倒しては腹が減り。魔獣を倒しても腹が減り。しまいにゃ腹を満たすため、食材を狩りに行きます。
そしてそのグルメ表現が、また美味しそうなんです。ファンタジーな世界観で、現実の食材とは名称を変えていますが、「炊きプラン(穀物らしい)の卵まぜ」など、そりゃ卵かけご飯やんけ!と思わずにいられません。
作品からの抜載ですが「生卵を混ぜた炊きプランは食い物だと思っちゃだめだ、飲み物なんだ」とかのセリフは、現実にいながらまざまざと味が想像できます。そうした食に対する表現が、当タイトルの魅力を何倍にも高めています。
バトルあり、勧善懲悪あり、旅があり、そしてグルメがある当タイトル。おすすめですので、ぜひ機会がありましたらご覧ください。