人間と科学の力の偉大さを思い知らされる
全人類が石になり荒廃した地球で1から文明を取り戻すという唐突でファンタジーな開幕ながら、その過程は非常に地道で科学的というギャップが面白い。
決して王道ではないが、友情・努力・勝利の三拍子が揃った少年ジャンプらしい胸が熱くなる作品だ。
主人公の千空が様々な事を試しながら可能性を模索し、一歩ずつ目的へと歩んでいく姿は読んでいて勇気を貰える。
また、千空だけが活躍するのではなく、集まった人間がそれぞれの特技を生かしながら物事に取り組んでいくのも魅力的だ。
人類が力を合わせればどんなことも成し遂げられるのだと思わせてくれる。
そして、地球がどんな状況であろうと科学の力というのは偉大なものだということも教えてくれる作品である。
先人たちが築き上げてきた文明が廃れてしまっても、科学の火は消えていないのだ。
私は勉強は苦手で科学のこともあまり詳しくはないが、Dr.STONEを読むと科学というものの偉大さは理解することが出来る。
むしろあまり詳しくないからこそ余計に面白く感じるのかもしれない。
自分達の生活は科学と強く結びついているのだと改めて実感出来る。
稲垣理一郎によって緻密に練られた原作を、Boichiの迫力ある絵で描いた本作。
テンポよく進む物語の中で、人間や科学の力がどれほど偉大かを思い知らされるマンガである。