農業を深く知らなくても、知っていても笑えるはずです!
『鋼の錬金術師』の荒川弘のコミックエッセイ。北海道の農家で育った作者による実体験などが描かれている。
コミックエッセイなのに、こんなに感情を使うのか?とにかく笑って、時にはすごく考えさせられて、切ない気持ちになって…というのが、全部読み終えた後の感想でした。
強烈で、何があっても蘇るまさしく不死鳥なキャラの親父様。なんでもこなしてしまう母や個性あふれる兄弟たち。
北海道という農業大国ゆえに起こる、私達では到底理解できないあるあるネタやハプニング。担当編集者さんの鋭いツッコミ。テンポよく進んで、スイスイ読んでしまう。本当にこれは現実なの?!と思ってしまうこともあり、時にはもしも…という農業ネタ妄想もあり、飽きがこないような仕掛けもいっぱいあると思います。
農業について勉強になることもあり、食料自給率の問題とか、後継者問題など、考えなければならないことがあるんだなと思わされました。もちろん、そういう難しい問題も、軽いノリで読ませてくれるので、苦にはならないと思います。
この作品を通して、全体的に作者の荒川さんの農業に対する愛が溢れていると思います。好きだから農業に携わっていた、好きだから面白おかしく語れる、それを感じることができる作品だと思います。
一つ心配なのは、最近はなかなか帰省も難しい様子が見受けられるので、ネタ切れしないのかな…?ということでしょうか。しないような気もしますが(笑)