深いお話です
映画「パラサイト半地下の家族」は、至る所に伏線が散りばめられています。そこがわかって見るのと、ただわからないままで見るのとはぜんぜん違ってくるので、何度見ても楽しめる映画でした。韓国の半地下住宅に暮らす貧乏な4人家族が、高台にある豪邸のパク一家に少しずつ侵略していくお話になっています。それが題名パラサイトの意味ですね。この映画に引き込まれてしまうのは、前半にコメディーのような明るい家族で描かれていて、後半にはいつのまにかサスペンス的な怖さで心の中を侵略されていくところです。そういう流れは余計精神的な部分で怖さを引き立てさせました。不思議ですね、前半の明るい部分はかなりの貧乏な日常を描いていますが、後半の不幸な暗い部分は全て豪華な豪邸でのシチュエーションなんです。これを作成している監督の腕の良さが伝わってきます。嫌でも伝わる韓国の格差社会ですね。嵐の日の雨もそこを強調していることがよくわかりました。滝のような勢いで豪雨は高台から低地へ流れる。次の日に、半地下家族はもう家にも住めなくなっているというのに、目の前で豪邸のパク一家は「大した事なくて良かった」とまで言っています。低級家庭の人達がどうなっているかすら知らないのです。そして、鍵となるパク家末っ子の絵。最後の最後で全てが分かりおびえました。ぜひ、意味がわからないままでもわかってからでも楽しめる作品ですので見てください。