フォルトゥナの瞳

フォルトゥナの瞳

『フォルトゥナの瞳』とは、百田尚樹が書いた小説作品、およびそれを原作とする映画作品である。原作は2015年12月に新潮社より刊行された。
他人の死が見える「フォルトゥナの瞳」という不思議な力を持ってしまった青年・木山慎一郎が、最愛の女性の死を回避しようと奮闘する。
2019年2月に、神木隆之介主演で映画化された。他出演者は、有村架純、時任三郎、斉藤由貴、志尊淳などである。監督は三木孝浩が担当している。映画化にあたり、舞台が原作の横浜地区から神戸地区に変更された。

1x1114yunaのレビュー・評価・感想

フォルトゥナの瞳
7

運命を変えるという選択をするのも、それもまたひとつの運命。

この作品は、死を目前にした人が透けて見えるという”フォルトゥナの瞳”を持った一人の男性の物語です。人の運命について考え、人生を生きるということは何かの選択の繰り返しであることに気付かされます。作中、主人公が生活する中で、透けて見える人を度々目撃するようになるのですが、ある日、人の運命を変えると自分に代償(自分の体に負荷がかかり、死へ近付く)があることに気付きます。人の運命を変える=人の命を救うのだから、そこまで大きな代償なんていらないのではと思ってしまいますが、その代償があるからこそ、この作品は考えさせられ、面白い作品なのだと思います。確かに人のために何かする、行動に移すということは、何かしらの犠牲が付き物です。その人の為に自分が何をどこまでできるのか、もし自分がその瞳を持っていたのなら、どんな行動に出たのか、作中の主人公や恋人の気持ちを考えると目頭が熱くなります。キャストについても、主人公を神木隆之介さん、恋人を有村架純さんが演じているのですが、演技含めキャスティングも作風と合っていてとても良いと感じました。この作品を通して運命を受け入れるということも、運命を変えるという選択をするのも、それもまた一つの運命なのだと感じました。