推しが武道館いってくれたら死ぬ / 推し武道

推しが武道館いってくれたら死ぬ / 推し武道

『推しが武道館いってくれたら死ぬ』とは、平尾アウリによる漫画作品で略称は「推し武道」。『月刊COMICリュウ』(徳間書店)にて、2015年8月号より連載を開始した。女性地下アイドルグループたちと、その彼女たちを応援するファン・アイドルオタクたちとの様子や生き様を軽やかに描いたコメディ作品。2017年には「このマンガがすごい!2017」オトコ編第12位、第3回「次にくるマンガ大賞」コミックス部門第11位にランクインした。アニメ化やドラマ化などのメディア展開もなされている。

5knabexのレビュー・評価・感想

推しが武道館いってくれたら死ぬ / 推し武道
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推しがいる人へ

ある日なにげなく町を歩いていたら、アイドルに呼び止められてコンサートをみた主人公のえりぴよさん。そのときのステージにかがやくアイドルになりたい舞菜ちゃんをみたときから恋というか想いははじまりました。
この子が推しになってからというもの、舞菜ちゃんを人気投票で上位にするために、握手券を購入するために、CDをめっちゃ購入し、ついにはグループただひとりの舞菜オタクといわれるいわゆるトップオタクになるえりぴよさん。
でも握手会で話ができるのは本当にかぎられた時間で、ありがとうございましたという無情な声で数十秒が終わってしまいます。それでもえりぴよさんはあきらめず、舞菜ちゃんが武道館でコンサートしてくれたら死んでもいいという思いで今日もチケットを握りしめ握手会にいくのでした。
オタクというさまざまな生き物の中にも個性があり、ほんとうに嫁にしたい、推しであるブルーの空音ちゃんにごはんを毎日家で作ってほしいもといさんや、前のグループで一位にできなかった推しを今のグループで一位にするために奮闘するくまささんなど周りのオタクたちもかなりキャラが強くておもしろいです。
しかしながら共感するところがかなりありますので、うなずかずにはいられません。今回は人気投票がありますので、アイドルという名前があるといつかは通ることになってしまう道であり、一番てっとりばやく結果が認識されてしまう酷いといえば酷い、でもがんばった努力は報われるという資本主義の権化ともいえる数の暴力に向き合うアイドルとオタクの熱い応援のかけらたちが表現されています。
たぶんこの人気投票というシステムに関しては賛否両論あると思いますし、オタクによってもかなりの確率で意見がありますのでわかれてしまうと思いますが、オタクというものの愛が試されていることは間違いありません。そこでアイドルたちが今後どのように生きていくのかというのが見どころでもあります。