叙述トリックの金字塔
この作品は昭和58年の寒村を舞台にしたミステリーアニメとなっている。作品自体はいわゆる伏線をどんどんと散らばらしていく出題篇とそれらを回収していく出題篇い分かれている為、一つの章の内容が分からなくても違う章で補完することが出来るものとなっている。ただ、ミステリーアニメとは謳っているがそれらは最初だけであり、途中から内容がファンタジーなものになってしまっている所は否めない。
物語の舞台である雛見沢では毎年6月の中旬に綿流しと言われる布団の綿を流して土着の神である『オヤシロ様』に感謝をするという行事がある。その中で毎年必ず死者が出てしまい村人の間では鬼隠しと呼ばれ恐れられている。作中の軸は鬼隠しとは何か、土着の神である『オヤシロ様』とは何者であるかが物語の軸になってくるが、最終的には『オヤシロ様』は宇宙人で1000年以上前に雛見沢に降り立ち神として奉られた者が年を経るごとに歪曲され伝わっていったというなんともホラー作品とは言えない物語で終わってしまっている。
しかし、ここまでのお話はアニメでは扱っていないため素直な気持ちで鑑賞すれば楽しめる作品だと思う。又、雛見沢は白川郷をモデルにしているため作品の要所要所で現実にある建物で出てくるのも面白い。