プロミシング・ヤング・ウーマン

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プロミシング・ヤング・ウーマン
9

ユニークな女性の為のブラックコメディ

映画を見る前にタイトルのプロミシング・ヤング・ウーマンの意味を知っているのと知らないのとでは見え方が変わってくる。映画の中で触れられるのだが(字幕・訳として)、事前に知っておいた方がこの作品のニュアンスみたいなものが伝わりやすい。意味は「将来を約束された若い女性」である。なるほど、ヒロインは元医学部生の30代。こういう役をやらせたらハマるキャリー・マリガンがヒロインを演じている。彼女は作品に恵まれている。
脚本が素晴らしく、アカデミー賞脚本賞は納得。まだまだこんなオリジナルのストーリーが生まれるのだと感心もした。
前半、サスペンス仕立てのコメディのようで楽しくもあり、先が読めない展開に引き込まれた。やがて、中盤からなにやら恋愛の要素が入ってくるのだが…気付くとやはりヒロインには幸せになって欲しいと思いながら見ている。しかし、後半新たな展開が待ち受けてるのだ。
終盤から結末はややご都合主義的なところもあるが、それでもこのブラックコメディは非常にユニークでオリジナリティに溢れている。男性への反撃がテーマとなっているようで、それほど押しつけがましいメッセージがあるような感じもない。それよりもこの作品の世界観が飛びぬけて上回っている。