まるで漫才? テンポの良い会話劇にクスッとすること間違いなし!
関西の男子高校生、瀬戸小吉と内海想が放課後に河原で織りなす会話劇を主軸としたコメディ漫画。
作者が元芸人ということもあり、2人の間で交わされる会話にはしっかりボケとツッコミが潜在しており、まるで漫才を見ているかのような気持ちになる。
会話の内容も本当に些細なことばかりで、男子高校生らしくくだらない、それでいて鋭さも時に秘めたやり取りに思わずクスッとなること間違いなしだ。
関数が進むごとに2人がそれぞれ抱える家庭環境や悩みなども徐々に明らかになり、読者の心にも訴えるものがあるだろう。
だが、まさかまさかのどんでん返し。ギャグマンガと思わせておきながら、最終巻では衝撃のシリアス展開、そして怒涛の伏線回収。
河原という不思議な場で育まれた2人の歪な、それでいて確固たる友情に感動させられる。
ラストシーン、河原で会うことがなくなってしまったが、LNE上で続いている2人のやり取りがほほえましい。
生涯で無二といえる友人と出会えた二人を見ていると、自分も友人を大事にしたいと思わせてくれる。
まさに「笑いあり、涙あり」を体現した唯一無二のジャンルの作品である。
1巻と最終巻で180度印象の変わる漫画に出会いたいあなたに、ぜひ読んでほしい作品だ。