HEAVY RAIN 心の軋むとき

HEAVY RAIN 心の軋むとき

『HEAVY RAIN 心の軋むとき』とは、2010年にソニー・コンピュータエンタテインメントから発売されたPlayStation 3用ミステリーアドベンチャーゲームである。開発は、フランスのゲーム制作会社クアンティック・ドリーム。主要キャラクターであるイーサン・マーズ、スコット・シェルビー、マディソン・ペイジ、ノーマン・ジェイデンの4人が、連続誘拐殺人事件の謎を解き明かしていくストーリーで、プレイヤーの選択によってエンディングが変わる。独創性や革新性が評価され、日本ゲーム大賞ではゲームデザイナーズ大賞を受賞。

miruku04のレビュー・評価・感想

HEAVY RAIN 心の軋むとき
9

体験する映画のようなゲーム

ps3とps4用の映画のような重厚なストーリーが展開されるアドベンチャーゲーム。
子供を失った主人公にある殺人事件が絡んでいく。大雑把な書き方だが、登場キャラクターがそれぞれの視点から進み、物語が少しづつ形作られていく。
複雑な操作はなく、コントローラーを傾けたり、指定されたボタンを押したりする。表示されるテキストやコマンドの表示が最小限しかなく、最初は戸惑うだろう。しかし、とった行動で物語が変化していくので、慎重になっていく。直感やキャラクターになったつもりで行動することでよりリアルにゲームの世界観に入っていく。特に、プロローグの家族団欒の一時はゲームとは思えなかった。一つの映画の場面を見ているようだった。それを可能にしていたのが登場キャラクターたちの緻密で、細やかな表情や動きだ。ゲーム特有の硬い表情やかくかくと動く歩き方はない。本当に人物がいる、動いているような映像は、映画と比較してしまう。
ストーリーの重厚さと作品のクオリティーの高さを認めたら、他のゲームとは異なる一面を見つけられるはずだ。没入することを第一に考えたら、無駄を省くよりもゲームシステムそのものを変えることにしたという作品だ。もっとこのようなゲームが出てくることを望む。