僕のヒーローアカデミア / ヒロアカ / My Hero Academia

僕のヒーローアカデミア / ヒロアカ / My Hero Academia

『僕のヒーローアカデミア』とは、堀越耕平が『週刊少年ジャンプ』で連載している漫画、及びそれらを原作とするアニメ、ゲーム作品。舞台は多くの人が超常能力「個性」を持つことが当たり前の世界。そこでは個性を悪用する敵(ヴィラン)を取り締まる「ヒーロー」が憧れの存在となっていた。ヒーローを夢見る少年、緑谷出久は何の能力を持たない「無個性」だった。これは出久が「最高のヒーロー」になるまでの物語である。

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僕のヒーローアカデミア / ヒロアカ / My Hero Academia
10

物語全体のバランスが取れている

僕のヒーローアカデミアは世界の総人口の八割が個性という特殊能力を持ち、アメコミで描かれているようなヒーローが職業として存在する超人社会で、個性を持たない少年“緑谷出久”が最高のヒーローを目指す物語である。序盤こそバトル要素が少ないが、物語が進むにつれてバトルが増えていき、その内容も深いものになっていく。全体を通したテーマとして「正義とは何か」、「力を持つことの意味や義務」を描いており、シリアスな展開も多い。特に林間合宿から始まる神野事件では、ナンバーワンヒーロー“オールマイト”の考え方や戦い方からそれらのテーマに対する答えの一つが如実に表れている。しかし、体育祭や文化祭などの賑やかな学校行事が所々に挟まれていることで、物語全体として上手くバランスを取っているとともに、シリアスな場面と学生生活の場面との雰囲気の差を作り出すことで各場面が強調されている。また、敵(ヴィラン)側もなぜヴィランになったか、ならざるを得なかったかという背景が細かく描写されており、一様にヴィラン=悪と認識することができないことも物語に深みを与え、「正義とは何か」という先程挙げたテーマにも繋がる。これらの例以外にも多くの魅力があるため、実際手に取って楽しむことを強く進める作品である。