バディミッション BOND

mk3854b0のレビュー・評価・感想

バディミッション BOND
10

プレイヤーをあの手この手で楽しませてくる本編と、登場キャラクターすべてが愛おしくなるサブストーリー。

『アイシールド21』や『ワンパンマン』などを手掛ける漫画家、村田雄介がキャラクターデザインを務めるアドベンチャーゲーム。
正義に燃える捜査官・ルーク、ワイルドな大怪盗・アーロン、飄々とした元忍者・モクマ、残忍な天才詐欺師・チェズレイの4人で結成した「チームBOND」が、悪の組織「DISCARD」を追うというストーリーだ。
プレイヤーが介入できるゲームシステムとしては、手がかりを集める「捜査パート」と、目的を達成するために謎解きをする「潜入パート」に分かれている。この2つは主人公4人の中から任意に2人を選択して進めていく。このゲームのタイトルに「バディ」、つまり「相棒」という語が冠される所以だ。その組み合わせによって会話が多様に変化するので、一度クリアしても組み合わせを変えてチャレンジしたくなる。謎解きの難易度はそこまで高くはないうえ、ゲームオーバーには絶対にならない仕様になっているので初心者にも優しい。
根底を成す物語も、ギャグとシリアスのバランスが絶妙で、プレイヤーを飽きさせない。主人公4人はそれぞれにクセが強く、衝突を繰り返す。しかし、次第にチームとして一丸となっていく姿に、いつの間にか感情移入してしまう。そして終盤にかけて伏線が回収されていく展開には鳥肌が立つことだろう。
また、本編で条件を満たすと読めるサブストーリーの数が尋常ではないほど多い。主人公4人のうち、2人に焦点を当てた「バディエピソード」が81本、サブキャラクターに焦点を当てた「サイドエピソード」が62本。そのすべてがフルボイスという豪華さ。内容も本編に入れても遜色のない筋立てのものが多く、キャラクターが本編で見せなかった魅力を伝えるものとなっている。
映画のような極上の物語体験を楽しみたい方に強くおすすめできる一本だ。