翻弄し合う運命がおりなす美しきアクション映画
ジョン・ウー監督による連邦捜査局(FBI)捜査官の潜入捜査物。
最愛の息子を捜査対象であるトロイに目の前で殺され、復習に燃えるFBI捜査官アーチャー。家庭を顧みずに執念を燃やす日々が実を結び、トロイをとらえることに成功。しかし、トロイは大規模テロを進行させたまま死亡する。このままでは多数の命が失われてしまうことになる。テロを阻止すべく、新技術である顔のすげ替え手術というトンデモ手術を受け入れたアーチャー。苦悩の潜入生活が始まる。
対して、手術で自身の顔を失ったトロイはなぜか蘇生し、医師達を脅す。要求はなんと、手術室に残されたアーチャーの顔の移植だった。昔からよくある入れ替わりものだが、顔も体もガッチリしたジョン・トラボルタがほっそり代表ニコラス・ケイジに扮するという無理のある設定がたまらない。
それをいってしまうとまるでコメディーのような印象を与えるかもしれないが、内容は至ってシリアス。
真面目で厳格なアーチャーの周りの人間は、人が変わったように奔放なトロイ人格にあぜんとする。トロイの姿をしたアーチャーは身の回りに集うテロリスト達に戸惑いながら、苦しむ。今までの人生では想像することのなかった背徳的な時間を過ごす。その中で失った息子との時間のかけらに出会う。
善と悪がらせんを描くように最終決戦の場へ。
対峙する主演二人の演技は素晴らしいの一言に尽きる。
アクションの秀逸さも素晴らしいが、ところどころに入る印象的なシーンがたまらない。とても美しいアクション映画である。