イップ・マンシリーズ

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イップ・マンシリーズ
8

ブルース・リーの師匠イップ・マンの戦いを描くアクション大作

ブルース・リーは亡くなって45年経った今でも知る人は多い。だがブルース・リーに師匠がいたことを知る人はきっと少ないでしょう。それがこの映画の主人公イップ・マンという方です。
この方は中国拳法・詠春拳の使い手で、それまでの陰陽、五行、八卦などの東洋哲学的論理からなる体系を一新し、現代的、科学的理論体系を作り上げた人なのだそうです。
そして人を惹きつける人柄で、映画内でのセリフにもなっている「カンフーは喧嘩のためのものではない。他人を虐げるためにそれを使えば、勝っても負けてもそれはただの負けでしかない」という言葉を残す人格者でもあったそうです。現実にもこういう人がいるんだなぁと感心してしまいます。
現在第三部まで作られているのですが、映画の内容としては勧善懲悪、侠客物で当時実質統治していた日本軍人やイギリスの警察組織などを露骨に悪者に仕上げているので見る人を選ぶ部分もあるでしょうが、そんなものが気にならなく程どの作品もアクションシーンの完成度が高いです。
詠春拳は手数とそれを急所に叩き込む技術が重視されるらしく、日本映画の殺陣とは違ったスピーディで正確、そして派手なアクションシーンは必見。木人椿を使ったトレーニングシーンを見るだけでも役者の方々がどれほどの研鑽を重ねたか、そんなことに思いを馳せるほど圧巻です。
惜しいところといえば、今のところブルース・リーの出番は後に弟子になることを匂わせる程度で本格的な参戦は果たしていない点でしょうか。そこは現在撮影中らしい4部に期待したいところです。
それと注意していただきたい点は、同じ主題の同名作品が他にもあることです。そこは主演がドニー・イェンであることをチェックしておけばたぶん回避できると思います。
全部観るとなると少し長くなってしまいますが、おすすめの作品です。是非ご覧になってください。