知ってる街が吹っ飛んでる…!
生身で空を飛ぶとこんな感じなのかなー、というシーンがたくさん出てきます。
宇宙人によって機械の体に変えられてしまったのが初老の男(犬屋敷)と少年(獅子神)でしたが、彼らはその体と凄まじい力を得たものの、それぞれの思いから真逆な方向に進んでいってしまいます。守るものと壊すもの。ことに獅子神の悲しみ、絶望は大量殺りくへと向けられてしまい、そんな彼を思うがゆえに助け、そしてかばって哀しい結末を迎える同級生を二階堂ふみさんが演じています。
最初、彼女とはわかりませんでした。それほど地味で、オーラを消した状態のお芝居を見せてくれていましたが、獅子神と空を飛ぶ時の絶叫で「あ!」とわかる感じ。シアワセとは言い切れなかった彼女の小さな恋は、獅子神のちいさなやすらぎになれたのかどうか…本編で、そのシーンは最も切なく、悲しいものとなっていました。
さて、機械の体を使ってフルパワーで暴れまわる獅子神と、それを押しとどめようとするいぬやしきですが。その対決シーンは新宿の街をぼこぼこに吹き飛ばしています。ヘリコプターを吹き飛ばすアクションの凄まじさは佐藤信介監督ならではのお得意分野だけあって、凄まじい迫力とカメラワークでした。