チャーリーとチョコレート工場 / Charlie and the Chocolate Factory

チャーリーとチョコレート工場 / Charlie and the Chocolate Factory

2005年、ティム・バートン監督とジョニー・デップのコンビで公開された、アメリカの映画です。ファンタジー・コメディーに分類されます。しかし蓋を開ければ内部非公開の工場を見物できるというワクワク感とは裏腹のブラック・ジョーク、皮肉全開のミュージカル調のシーン、美しくも怪しい映像のセンスなどが監督ティム・バートンの世界観をよく表現しています。第78回アカデミー賞衣装デザイン賞ノミネート作。

gossamのレビュー・評価・感想

チャーリーとチョコレート工場 / Charlie and the Chocolate Factory
8

ティム・バートンが創造した幻想的な世界の物語

「アリス・イン・ワンダーランド」や「フランケンウィニー」などの数々の不思議な世界観の作品を手掛けたティム・バートン監督。この作品は、そんな彼の作品の中でもひときわ不思議な世界観を放っている作品だと感じた。なぜなら、細部へのこだわりが異様だからだ。この作品には第78回アカデミー賞衣装デザイン賞にもノミネートされるなど、細部のセットや独特の色合いなど目を引くものが非常に多い。しかし、それらはなんとすべてパティシエが作った本物のお菓子ばかりなのである。作中でもとても印象的なシーンであるリスが頭の中身を調べるシーン。そのシーンに登場するリスはこの作品のために半年もの時間を懸けて調教したリスなのだ。とてもティム・バートン監督の熱意が感じられる作品だ。
もう一つ私がこの作品をおすすめしたい理由がある。それは親子の絆を確かめる物語でもあるからだ。ウィリーが工場を案内するうちに、彼の父についての回想シーンが多く登場する。彼は、幼少期に一粒のチョコレートを食べたのをきっかけにお菓子の虜になってしまった。しかし、彼の父は町一番の歯医者であり、お菓子作りとは敵対する職業なのである。すっかりお菓子に魅了された彼はお菓子作りをしようと決心する。もちろんそんな彼を父は受け入れるはずもなく、それきり彼とその父は疎遠になってしまった。しかし、チャーリーとの出会いをきっかけに父と仲直りすることを決める。そんな彼を父は温かく迎え入れ、親子の絆が垣間見えるシーンであった。
この作品は子供世代から親の世代まで数多くの人に愛される作品である。不思議な世界観と親子の絆を確かめられる作品だからこそ、愛されるのだと考えた。是非家族で鑑賞してもらいたい作品だ。