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家族の愛歌
米作家、J.D.ヴァンスの回顧録を映画化。
生まれはオハイオの田舎町。
そこから名門イェール大に進学。
その道のりは決して平坦ではなかったろう。
ある日J.D.は、同じ大学の白人の学生たちに生まれ故郷を『レッドネック』と呼称される。
レッドネックとは、アメリカ南部の田舎を蔑む差別用語。
生まれや育った環境の格差を目の当たりにした矢先、更なる問題が発生し──。
この映画は、壮絶な家族史である。
原作は劣悪な場で暮らす白人貧困層の問題を掘り下げた、より政治色の濃いものらしいが、この映画は家族の物語に置き換えている。
原作と内容が異なるため賛否が分かれているようだが、家族の愛憎が分かり易く抽出されており、私にはとても興味深い映画だった。