おくりびと

おくりびと

『おくりびと』 とは、滝田洋二郎が監督を務めた日本の映画である。主演の本木雅弘が、青木新門著『納棺夫日記』を読み感銘を受け、青木新門に直談判し映画化の許可を得た。共演者には山崎努、余貴美子、広末涼子らがいる。チェロ奏者の男が楽団の解散を機に、妻を連れて山形に帰郷し、納棺師の見習いとして働き始める。死について向き合う主人公を通して様々な生と愛のカタチを描く人間ドラマである。

massa1005y3のレビュー・評価・感想

おくりびと
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「旅立ち」の意味

山形を舞台とした超有名作品です。
「生きる意味と旅立つ意味」をテーマに扱っています。
小林大吾役の本木雅弘さん、妻の広末涼子さん、上司役の山崎努さん等、豪華メンバーがキャスティングされています。

主人公小林は、山形の実家に戻り、手に職をつけるためにとある求人票を手に取ります。
そこには「旅立ちのお手伝いをします」という見出しが。
なんとなしに応募してみると、そこは葬儀社でした。
小林は困惑しながらも色んな方の「お見送り」をしていき、だんだんとその姿も板についてきます。
でも広末涼子が演じる妻に葬儀社で働く納棺師であることを小林は言えませんでした。
妻には旅行会社では働いていると嘘をついていましたが、妻が小林の納棺の記録ビデオを見てしまい、出て行ってしまいますが、そのタイミングで子供を身籠ったことが発覚。
小林の元へ戻ってきます。

そんなある日、小林の実の父が死んでしまいます。
実の父と再会し、自らその旅立ちのお支度をする小林。
それまで涙ひとつ流さなかった小林。
父の納棺を終えてようやく涙を流す小林を見て、妻は驚くととともに、ずっと小林が抱えていた葛藤が一つ和らいだのかもしれないと安堵した表情がとても素敵です。

死は別れではない。新たな起点に立つということを教えてくれます。
永遠の眠りについた体に、納棺師は死化粧をして生前の温もりを与えます。
小林のチェロ演奏も素敵です。
その楽曲を久石譲さんが手がけており、映画のテーマとなっている「生きる意味」と「旅立ち」を彩っています。
死は一般的には忌み嫌われ、遠い場所にあるものであるように感じますが、この作品は死には美しい側面があることを教えてくれます。