人生に悩んだときに、笑って見れる作品
大学時代の親友二人、ファルハーンとラージューは同じく親友のランチョーをずっと探していた。
ある日、元同級生のチャトルから「ランチョーが見つかった」と電話で呼び出される。
しかしそこにランチョーの姿はなかった。
憤慨するファルハーンとラージューをよそにチャトルは「ランチョーの居場所まで連れて行く」と二人を車に乗せる。
正直最初は展開が急すぎて話に入り込めないかなと思うかもしれませんが、大丈夫です。
続いて回想が始まります。いわばここからが本編です。ここから物語が急激に面白くなります。
かつてインド屈指の名門工科大学に在学していたランチョー、ファルハーン、ラージュ。3人は親友でした。
学長はヴィールーという白髭の人物。彼は成績の低い人間に価値はない。
学歴こそが社会で最も重要なステータスだと主張し、生徒たちに厳しい競争を強いていました。
学長の方針にランチョーだけは真っ向から立ち向かい、学ぶことの楽しさを説き、単に知識を詰め込むだけの教育は無意味だと独自の生き方を貫きます。
そんなランチョーにファルハーンとラージュだけでなく様々な人間が惹かれていきます。
ヴィールーの娘で医者の卵のピア、校内の雑用係マンモーハン。多くの仲間に囲まれ、順風満帆にみえたランチョーでしたが、ある日ヴィールーの影が彼に忍び寄ります。
果たしてランチョーは現実の困難にどう立ち向かっていくのか。そして、ランチョーはなぜ姿を消したのか。
ミステリーっぽく聞こえますが、実際は青春ドラマです。
キャラクター同士の掛け合い、インド映画特有の時たま差し込まれるミュージカルにくすりとしつつも、
現実と理想の狭間に揺れる青年たちの葛藤が刻々と描かれています。
ただそんなに重いわけではなく、鬱々とした空気は天真爛漫なランチョーがぜんぶ蹴散らしてくれます。なかなか痛快です。
人生とは何か。自分自身と向き合ってポジティブな気分になりたいときに見て欲しい作品です。