階層からの脱出
程度に差はあっても非常に身近なテーマだったので心に響きました。
たくさんの人間が一つの場所に集まっているように見えても実際は階層に分かれていて、別の階層の人と交わることなく生きているということが上手く描かれていました。
一見恵まれた環境に生まれ育った人でも自分の人生の選択肢が非常に狭く、結局親の人生を辿るだけという閉鎖性が上手く描かれていました。
登場人物たちははじめ、各々の階層に縛られて苦しみましたが、階層から脱出して自由に自分の人生を歩んでいる姿が描かれていて清々しかったです。
世間的に見れば道を踏み外したとも言われかねないのかもしれませんが、階層からのいい意味での脱却ができていたと思います。
絶対的なハッピーエンドではないかもしれませんが、自分にとっての幸せを掴むための入り口にそれぞれが立てていて気持ちの良い終わり方でした。
また、俳優陣の演技力がとても高かったです。門脇麦さんがお嬢様役を演じていましたが、わざとらしさが全くなく世間知らずな年頃の女性を上手く表現していました。
水原希子さんも演技力が高くびっくりしました。
あまり裕福ではない田舎出身の女性という、水原さん本人のイメージとはかけ離れた役でしたがきちんと演じきっていて素晴らしかったです。