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最後に相手を驚かす...
こちらは、映画館で公開されていたのかどうかも分からないほど、初めて聞いた名前の映画だったので全く期待をしていなかった。米国での、銃規制法案に関するロビー活動をめぐる、ロビイストとその周りの人間のドラマなのだけれど、どうやら、これには、まだまだ続編というか、スピンオフがありそうな感じを受けます。
全く派手なアクションもなければ、過剰なお色気シーンもない。笑いをとることもなければ、御涙頂戴のシーンも全くない。主人公は鉄仮面のような女性だが、実は、彼女の心の中にも深い深い傷があったのではないかと思わせる。少し嫌な言い方をしてしまえば、「作家だけが知っているアリバイやトリックが最後に出てくる推理小説」の如く、Miss Sloane だけが知っていたこと(つまり、観客も全く知らない内容)が沢山ある。少し間違えば、その「なんだ、こういうことをしていたのか」と白けてしまいそうなところが、白けさせず、「おお、こうきたか!」と思わせてくれるのは、脚本や監督の腕の見せ所なのかもしれない。
周りの俳優陣も、名前を知らなかったり見たことがなかったりした人たちが多い中、誰一人、こびるような演技をしたり、アメリカ映画でありがちな、わざとウィットに飛んだセリフを言うこともない。なかなか良い映画だった。