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言わずと知れた名作
脱サラして刑事へという、異色の経歴を持つ主人公・青島が刑事として、周囲の人々と切磋琢磨しながら成長していく姿を描いた『踊る大捜査線』。そのラストである今作は、集大成と呼ぶに相応しい締めくくりだったと思う。
まず、オープニングが素晴らしい。ドラマのスタートから映画作品までの写真や映像を使ったオープニングは、この作品を初期から観ていた人ならぐっとくる演出であろう。故人であるいかりや長介さんの姿もちらっと写るところがまたいい。
本編では、青島と、青島の上司である室井の信頼関係がしっかり描かれていて、初期の頃の反発しあっていた姿を思い浮かべてぐっとくるファンも多かったのではないだろうか。青島と室井だけではなく、他の湾岸署の主要メンバーも、それぞれ成長を遂げたことが感じられる場面が多々あった。
また、今回の映画は、警察組織の在り方そのものへの問いかけという難しいテーマを中心に繰り広げられた誘拐事件だったが、犯人側の思う警察組織や正義の在り方と、青島や室井の描く警察組織の在り方、正義のあり方という対比が主軸だったため、正義とは何かを考えさせられる、深い映画だ。
刑事ドラマ好きな人にはぜひおすすめしたい、王道ドラマなので、ぜひ一度観てほしい。