欅坂46から櫻坂46へ
欅坂46は、簡単に言ってしまえば日本の女性アイドルグループである。
しかし、その一言では片付けられないほどの経験をし、苦悩し、一つの坂をかけ登った。
私は、伝説のアイドルグループと言っても過言ではないと思っている。
欅坂46は、坂道シリーズ第2弾とし、既に注目を集めていた乃木坂46の妹分としてデビューした(デビュー当時21名)。
1stシングルである「サイレントマジョリティー」はオリコン1位を獲得し、女性アーティストのデビューシングル初週推定売上としても歴代1位の記録を樹立し、欅坂46というグループ名は一気に世間に広まったと言えた。
欅坂46というグループの色は少し特殊で、アイドルと言うと驚かれるに違いない。
今までのアイドルは可愛らしい曲にダンス、笑顔が溢れているが、欅坂46にはそれはほぼない。
曲も、恋愛をテーマにしたものは少なく、世間や社会に訴えるもの、生きづらさ、息苦しさ、そういうメッセージ性に溢れた曲ばかりで、ダンスも激しいものばかり。1stシングルを発売した時はニュースなどで「笑顔がないアイドル」として紹介されたほどだ。
だが、私はそこに惹かれた。
単純に、かっこいいと思った。
「伝える力」というものをメンバーひとりひとりが持っていて、そこに共感してしまう。ただの文であった歌詞が、彼女たちが歌って踊ることによってすっと心の中に入ってくるのだ。
そんな私から見れば、伝説と言っても過言ではなかったアイドルグループは、2019年10月12日・13日のLASTLIVEで幕を閉じた。
アイドル界に衝撃が走った瞬間だった。
しかし、これで終わりではない。
「櫻坂46」として生まれ変わり、この世界に戻ってきた。
彼女たちは、「欅坂46」を越えると言った。伝説を越えると言うのだ。
正直、欅坂46は無くなり、櫻坂46になると発表された時、離れていったファンもいたことだろう。
しかし、たった10代・20代の女の子たちが世間に抗い、立ち上がっている。
私は櫻坂46が今後どんな景色を見せてくれるのか、最後まで追ってみたいと思う。