井上先生得意の心理描写を堪能
あの有名な「スラムダンク」の作者、井上雄彦先生の漫画です。
同じバスケを扱う漫画でも、こちらは車椅子バスケです。
事故の加害者になってしまった者、事故の被害者になってしまった者、病に侵された者、それぞれが心と体に大きな傷を負い、それによって生じる様々な困難に立ち向かっていく人間ドラマです。
それは突然歩けなくなる、歩けなくしてしまう、という重いテーマも含んでいます。
人生どん底に落ちた時に、どのように浮上したらいいのでしょうか。それはもう、藻掻くだけ藻掻き、苦しむだけ苦しみ、足掻き続けるしかないのかもしれません。
イケメンで何をやってもそつなくこなせる高橋君は人をランク付けする癖があり、そして歩けなくなった自分を底辺に位置付けてしまいます。
少し周りを見渡せば差し伸べられている手があるのに、人間は辛さの渦中にいるととっても視野が狭くなりますよね。
そして「そうじゃなかった」頃の自分と現実を比べて悲観してしまいます。
高橋君のそんなもがく姿が痛いほど理解できますし、同時に「今ある幸せ」を感じる大切さを教えてもらえます。
漫画の中には、今回ももちろん名言がたくさん生まれています。
答えのないこのテーマをリアルという漫画を通じて考えてみませんか?