進撃の巨人のメッセージ性
進撃の巨人は序盤は巨人vs人類の構図から物語が始まります。
人類を壁内に閉じ込めて巨人から身を潜めながら生活をしているのですが、この時点で人類には「安全性」と引替えに「自由」を奪われています。
この構図が中盤でひっくり返るのがこの構図作品のおもしろいところです。
具体的に言うならば、人類vs人類というのが真の構図で、巨人はただの兵器にすぎなかったという事実が発覚します。
今までは漠然と「自由」と「安全性」を求めて巨人に立ち向かっていたのですが、それが壁の外には巨人だけでなく、壁内人類以外にも人類が存在し、しかもその人類が敵という事実を突きつけられます。
自分たちはこれから何をすればいいのか、どうすれば問題解決に至るのかという「戦争問題」に発展していきます。
敵国との争いをしていく中で、キャラクター達は敵国もただその国に生まれただけの「人間」であることに気づきます。
今まで自分が「悪魔」だと思っていた人たち、しかしその悪魔からしたら自分たちも悪魔だったのです。
戦争が如何に不毛なことか、如何に残虐なものかということを伝える素晴らしい作品です。
この物語は同時に、伏線だらけの考え抜かれた作品です。
私も1周したあとに、続々と発覚する伏線の量に驚き、最初から読み直した経験があります。
進撃の巨人に対して「ただのグロテスクな作品」と思ってる人がいるのであれば、是非とも漫画やアニメを視聴して欲しいです。この作品のメッセージ性や緻密に計算されたストーリーに誰もが驚くと思います。