ほどよいアクション、重厚なストーリー、かつてないゾンビゲーム。
ゾンビゲームではありますが、戦闘やホラー要素よりも人間模様で魅せるゲームです。
冷徹で自分本位なジョエルと少女エリーが、旅を通じて段々と心を通わせていく様子は、一時これがゲームだと忘れてしまうほど心を揺さぶられました。
一見誰もが生き抜くために甘さや情を捨てた世界ではありますが、危機が迫るとやはり顔を出すのが優しさや愛情なのだと心が温かくなる場面がいくつもありました。
エンディングを迎えてしばらくは、まともに口をきけなくなってしまうかもしれません。
ゲーム性もかなりしっかりしており、少ない物資を上手く使いこなして進む要素は、感染が拡大した世界を生き抜く主人公たちと同じ感覚を味わうことができます。
派手にドンパチするよりも、ステルスで進む方が圧倒的に効率的なので格闘戦や撃ち合いが苦手な方でも落ち着いて楽しめます。
三人称視点で操作しやすく、廃墟や森林のグラフィックも綺麗で楽しめるものとなっています。
マップはないのですが、基本的に一本道で迷うことはありませんし、息詰まったらヒントが表示されますので、迷子になるということはありませんでした。
即死攻撃をしかけてくるゾンビはいますが、ステルス戦に持ち込めば問題ありません。
もし攻撃を受けてゲームオーバーになっても直前から再開されるので、煩わしさは感じませんでした。
攻略的な意味でも、ストーリー的な意味でも、人間が一番厄介な相手です。
ホラー要素は薄いので、怖いゲームは苦手という方も問題はないと思います。