期待を裏切らない「不気味に美しい絶望の世界」
第一作目同様、色彩を抑えた仄暗いグラフィックが美しくミステリアスで、ゲームの世界観にグイグイ引き込まれました。今作は、小人の少年・モノが主人公。何故か、紙袋を頭に被っています。その姿が本当に愛らしい。そして、前作の主人公である小人の少女・シックスも相棒役で登場します。二人がちょこまかと動きまわる姿に、かなり癒されます。手をつなぐという操作ができるので、二人の可愛い姿が見たいばかりに、無意味に何度も手を繋がせてしまいました。
リトナイは、3D版の横スクロールアクション、と見せ掛けたパズルゲームだと思っています。
ゲームでは、明確な言葉での指示は出てきません。プレイヤーはそこにある舞台の状況を読み取り、先に進むための方法を推理しなければなりません。必要なのは想像力。この多くを語らない寡黙で挑戦的な感じが、多くのプレイヤーの琴線に触れるのではないかと思います。
本編は常に不穏な雰囲気が漂っており、かなりグロテスクな描写も散見されます。私はうっかりホラー映画を見ると、軽く一週間は眠れなくなる程の臆病者ですが、リトナイシリーズはそれを押してまでプレイしたくなってしまう代物です。今作でも、そういう不思議な魅力を十二分に堪能できました。