プライベート・ライアン

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プライベート・ライアン
8

凄惨な戦場を克明に描写した戦争大作『プライベートライアン』

この作品は米国で1998年に公開され、順次世界でも公開されて大好評を博した戦争映画です。現代はSaving Private Ryanで、直訳すると『兵士ライアンの救出』になります。映画監督はSFXを駆使した娯楽映画の名手、スティーブン・スピルバーグ。主演はトム・ハンクスでした。1944年6月の連合軍によるノルマンディー上陸作戦は過酷な戦闘でしたが、その後ミラー大尉が指揮する8名の斥候隊は、戦闘行動中行方不明(MIA=Missing in Action)になったライアン二等兵を捜索して救出することを命じられました。その顛末は…というストーリーです。この映画、ドキュメンタリータッチの映画のストーリー展開も妙味なのですが、戦闘場面のリアルでグロテスクな描写が話題になりました。とにかく主役級、脇役級、ちょい役級、はたまた敵側ドイツ兵関係なく、際限なく人が死んでいく。無残にも死んでいく。血が流れて腹わたが飛散して手足がもげる。そんな描写が延々と続いて、作品を観てる者はいい加減うんざりさせられます。米軍側が主役の戦争映画ですが、戦争とはどちらが正義ということはなく、ただひたすらに生命の浪費/殺戮であることがはっきりと伝わってくる作品に仕上がっています。ただスピルバーグ、ちゃんと米国民向けの愛国心の高揚のことは心得ていて、最後にちゃっかりと米国旗が描かれています。