ミッドウェイ

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ミッドウェイ
7

空前絶後のスケールで描かれた日米両海軍対決のミッドウェイ海戦!

ドイツ出身の監督ローランド・エメリッヒは「破壊王」という仇名で知られる通り、戦闘シーンでは万物を破壊して止まないスケールの大きな激しい作風を特徴としていますが、そのエメリッヒ監督が太平洋戦争の最初の転換となったミッドウェイ海戦を日米両側の視点から描きました。それが映画『ミッドウェイ』。ローランド・エメリッヒが広く名を知られるようになったのは『インデペンデンスデイ』でした。この監督は登場人物の内面をきめ細かく描写するのは苦手なようで、ストーリーを力任せにグイグイと造形します。『ミッドウェイ』でもこれでもかというほどに空中戦の場面を展開し、CGで再現された迫真の戦闘に手に汗を握ることになりました。この映画はローランド・エメリッヒにとっての「会心の一作」ということができるでしょう。ところで、日本人として見ていて気持ちのいい点は日本海軍の高級軍人(たとえば山本五十六や山口多聞)たちが一様に潔い武人として描かれていることです。実際の山本五十六は、ミッドウェイ海戦の時期には慢心の塊だったらしく、彼の指揮下にある連合艦隊の士気を弛緩していたとか。そういうネガティブなイメージはまったく醸し出されず、この作品の中では帝国海軍の将帥たちは淡々と戦い、そして死んでいきます。