ゲームであり、映画でもある作品。
わたくしがオススメするのは2013年にPlayStation3用のソフトとして発売された『The Last of Us』です。
本作は、ある日突然世界中で謎の寄生菌によるパンデミックが発生し、感染した人間が生きている人間を襲うという人類史上最悪の事態となるところから物語は始まります。
主人公の「ジョエル」は、世界中で発生したパンデミックにより愛娘を亡くしてしまいます。その後、感染発生から20年の時が経ち、法も人としての尊厳も無い荒廃した世界で生計を立てていました。
感染を逃れた人々は隔離地域と呼ばれる軍が管理する場所で、一先ずは生活が約束されるのですが、外の世界では理性を失った感染者やハンターと呼ばれる略奪を生業としている危険な存在がたくさんいます。
そんな中、軍への対抗組織『ファイアフライ』のリーダーがジョエルにかなり遠くの目的地まで運んでほしいものがあると依頼してきます。その荷物というのが「エリー」という寄生菌の免疫を持った一人の女の子でした。
一度外に出れば生きて帰って戻れる保証もない危険な旅となる中、ジョエルとエリーはお互いを信頼し、生きて目的地まで辿り着くことを誓うのですが、道中は想像を絶するほどの恐怖と苦難が二人を待ち受けていました。
このゲームの真の魅力は登場する人物が織りなすストーリーにあります。
誰しもが生き延びることに必死であり、常識が通用しなくなった時、人はどのように選択し行動を取るのか。
本当の危機に瀕した時に、自分の命や大切な人を守るためなら非道と思われようとも手段は選ばないというのが本作では至る所で見られます。
もはやゲームというよりも一本の映画を観ているかのような錯覚すら覚えます。
壮大なストーリー、そこに登場する人々のドラマを楽しみたいという方にはオススメの作品です。