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ひたすらハイテンションだが感じ入る
最初から最後まで勢いが良く、ひたすら人が車に乗って激しく戦い、自由を求めて走り続ける120分間。よくあるハリウッドの勢いエンターテイメント映画かと思いきや、それだけでないのがこの映画の魅力でもあります。物語は平たく言ってしまえば「車に乗って荒野を行って帰って来る」だけの話なのですが、そこには、中央集権的な独裁支配に苦しむ民衆や、自由を奪われた女性たちが「生きるため」に進み続けるという、力強いメッセージが込められています。主演のトム・ハーディは主演らしからぬ無口ぶりで、車の前に括りつけられて悶絶していたり、もう一人の主演シャーリーズ・セロンは普段の美しいイメージとは一転坊主頭で煤だらけ。破天荒な荒野のドライブは、独裁的なボスから送り込まれた刺客たちとの壮絶な争いだけでなく、囚われの身だった女性たちが自分の意思で戦うことを決めるヒューマンドラマでもあると言えます。単なるアクション映画ではなく、現代社会に通じる問題点も含んでいるからこそ、この作品は愛されているのだろうと思います。スチームパンク風の乗り物のデザインや、旅の途中で仲間に加わる女性たちなどの楽しさもありますし、激しくテンションの高い音楽も心躍る作品です。