MASTERキートン / マスターキートン / MASTER KEATON

MASTERキートン / マスターキートン / MASTER KEATON

1988年から1994年にかけて「ビッグコミックオリジナル」に連載された、勝鹿北星・浦沢直樹による漫画およびアニメ作品である。イギリスの保険調査員として日々過ごしてる平賀=キートン・太一。彼には考古学者と元特殊部隊という2つの顔がある。考古学で培った知識、特殊部隊で鍛え上げた鋼の精神と肉体を駆使して世界を飛び回る。

gaiarのレビュー・評価・感想

MASTERキートン / マスターキートン / MASTER KEATON
10

様々な顔を持つ主人公が織りなす人間模様とその活躍

舞台がヨーロッパ全土に及び時にはアフリカの砂漠になることもある。
様々な世界史、ヨーロッパの国際情勢、特殊部隊のサバイバル術、先頭の知識作者は相当インテリジェンスが高いんだと思う。
各国の地理も日本人にはなじみの薄い地名なんかもよく出てくるし、ヨーロッパで活動している様々な組織、団体、ヨーロッパの歴史からくる人間気質など鋭い洞察力が垣間見える。
この漫画を読んでヨーロッパに関する知識が本当に増えた。
保険会社の調査員という仕事柄、保険金詐欺の調査や誘拐にもかかわってくるし、謎解きの推理小説のような楽しみも味わえる。
面白いのはピンチに際したときにキャリアとなっている英特殊部隊SASのサバイバル術の知識と経験が生きることだ。
サバイバルとはあらかじめ用意された武器や装備品ではなく自分が置かれた環境にあるものを使ってその代用にして武器や装備品にして利用する事だ。
裏付ける知識は方位学、気象学、地理、歴史学、物理学、化学、生物学、医学多岐にわたる。
人間の生活は様々な学問の知識の上に成り立っているということを実感させられる。
お人好しでやさしい性格でありながらピンチに陥ると軍隊で鍛えられた猛者の知識と経験が顔を出す。
そのギャップも面白い。作者は主人公のようにヨーロッパで何年も生活して軍隊の入隊経験もあるのではないだろうかと思わせるほど。
人を傷つける事には負い目を感じていて、自分の身を守る時でも相手を殺すことはできないというのも主人公をとても親しみやすくしている。
18巻完で1話完結のストーリーだがぜひ続編も期待している。