THE ALFEE

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THE ALFEE
10

Baby Come Back!!

2020年、終わりの見えないコロナ禍において、「ディスタンス」という言葉を、2020年以上に聞いた年があっただろうか。いや、2020年ほどきいた年は、きっと無いに違いない…しかし、とあるミュージシャンは、36年前、1984年から「ディスタンス」と歌い続けている。
それは、誰もが一度は名前を聞いた事があるであろう、THE ALFEE。
メンバーは、桜井賢(Vo.Bass)、坂崎幸之助(Vo.Guitar.Percussion)、高見沢俊彦(Vo.Guitar)の3人。明治学院高校に在籍していた桜井賢が、同級生と組んでいたバンドでコンテストに出場、そこで坂崎幸之助と出会う。やがて、同大学に進学し、桜井と同じ高校の同級生であった高見沢俊彦がバンドに加入し、1973年に結成した。
翌1974年にデビュー。デビュー曲は、作詞松本隆、作曲筒美京平というゴールデンコンビによる「夏しぐれ」。巧みなコーラスワーク、優れた楽曲、ボーカルの高見沢の美貌、ヒットは約束されていた…かに思った。しかし、全くヒットしなかった。
それから9年間、ムッシュかまやつや研ナオコのバックバンド、また自分たちでライブハウス活動しながら、徐々に人気を伸ばしていった。1983年には、ヒット曲なしの武道館公演という偉業も成し遂げている。
そしてようやく、1983年、満を辞して「メリーアン」で大ヒットを果たした。
翌1984年には、、テレビドラマの主題歌として、「星空のディスタンス」をリリース。
ディスタンスの時代を36年も先取っていたのだ。
それから彼らは、デビュー46年にあたる今年まで、メンバーチェンジなし、活動休止なしで活動し続けている。
総楽曲数は300曲を超え、武道館連続公演年数は35年、2018年には大阪国際女子マラソンにおける「同一国際スポーツ大会のテレビ放送における同一アーティストによる最多テーマソング数」として世界記録に認定。
メンバー全員が前期高齢者を迎えた2020年においても、レジェンドバンドとして走り続けている。
2020年、ライブ本数は2800本を記録する予定であった。しかし、このコロナ禍、ライブツアーは延期を余儀なくされ、2800本も遠のいた。
しかし、8月24.25日に行われたALFEE初の無観客配信ライブにおいて、先の「ディスタンス」を、
星空の下のディスタンス
守ろうよ、ソーシャルディスタンス
遮るコロナ乗り越えて
この胸にもう一度
Baby Come Back!
と時世にあった替え歌で披露したのである。
この歌に、笑いを、そして希望をもらったファンは多い。
いつかまた絶対に、ALFEEに会える日を、ソーシャルディスタンスを守って、心の底から待ち望んでいる。
配信ライブに続き、ほぼ毎週日曜日に、配信イベントも行っているTHE ALFEE。
「ニーズに応えてこそ、ALFEE」
と以前のコンサートで言っていたように、会えない時間にも、決してファンの心を離さない。
それが、THE ALFEEなのである。