ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン
京都アニメーションが作成している話題作です。2018年にアニメの放送がありましたが、アニメとは思えないほど絵がきれいです。花の揺れる描写や、ブローチが輝く描写など細かいところの色遣いが丁寧で、作画が物語を引き立てています。主人公のヴァイオレットという女の子は孤児で、兵士として育ち、戦争の中で大切な人を失います。そのときに彼から言われた「あいしている」という言葉の意味を知るために、今でいう郵便局で働き始めます。
当時、戦後まもなくだったため、文字を読み書きできる人は少なく、そういった人が自分の代わりに手紙を書いてもらう部署で働き、ヴァイオレットはさまざまな人に出会います。1人残してしまう娘のために綴る手紙、戦争で亡くなった人から恋人へ預かった手紙、亡くなった子供を想う手紙、兄を心配する手紙、いろいろなバックグラウンドを持った人の言葉と出会いながら、彼女は「あいしている」がどういう意味なのかを理解し、兵士としてではなく、1人の女性として言葉を使って誰かのために生きていきます。
そんな彼女の成長の物語です。アニメが好評だったため、その後映画も2本公開され、彼女の「あいしている」の意味を知ったその後が描かれています。
京都アニメーションは2019年の夏に放火事件で、この作品を担当していたスタッフも亡くなりました。2020年に公開されたヴァイオレット・エヴァ―ガーデンの最新映画はそんな悲しみを乗り越えた、大切な作品としてファンに愛されています。