今、史上最大の進撃が始まる。
巨大な壁によって巨人から守られている世界。
しかし突如として現れた超大型巨人によって壁が破壊され、日常は淘汰された。
壁の外の世界に憧れを持つ少年、エレン・イェーガーは故郷が巨人に蹂躙されたあげく、目の前で母親を食い殺される。
絶望の中、エレンは「全ての巨人を駆逐する」と強く決意する。
このように、この作品はエレン・イェーガーという主人公が、人類が太刀打ちできないような残酷な世界に対して反逆するストーリーであり、一見王道なバトルアニメのような感じがする。
しかし『進撃の巨人』の面白さとは、圧倒的に深いストーリーと、徹底された世界観である。
巨人の正体とは、なぜ世界はこうなってしまったのか、敵の正体は、といった数々の謎に対する答えが、毎回鳥肌が立つような深いものなのだ。
特に序盤の謎が物語の終盤で明らかになった時は度肝を抜かれるほどだ。
ただ単純に「人類と巨人」のストーリーではないのである。
加えて、この物語には「完全な悪」が存在しないのも大きな特徴である。
壁を破壊して壁内人類を滅亡させんとする「超大型巨人」や「鎧の巨人」にも、極めて深い事情があるのだ。
彼らがなぜ壁を破壊したのか、その理由を知った時、物語は大きく動く。