意外と知られていない日本の姿を知る
日本に古くから少数民族が存在していること自体を知らない人が多いのではないだろうか。
アイヌという言葉を知ってはいてもどんな民族か、生活を送っていたのか。
波乱に富んだストーリーだけでなく、アイヌという民族を深く知ることができ、
また、樺太編において、樺太が日本の領土であったこと、
そこにも樺太アイヌやオロッコといった少数民族が存在したこと。
これも全くと言っていいほど知られていない事実。
これは、マンガを超えて歴史教科書と言っても過言ではない。
実在の人物が多く出ることで物語にリアリティがある。
函館で滅んだはずの新選組。
実際に、永倉新八は月形監獄で剣術師範をし、小樽に居住。
これに、死んだはずの土方歳三が加わる。
土方は遺体の行方が分からないため、もしかしたらと思わせてしまう。
そして、常に虐げられてきたアイヌの人達。
北海道にはアイヌの人達がおり、自然の中で生きてきた。
ヒグマとのかかわり、自然への感謝、
今見直さなければならない生き方が100年前の北海道にはあった。
何と言っても、北海道独立の夢が叶うかどうか。
榎本武揚が成し遂げられなかった蝦夷共和国の夢。
これらを巡って、まさかロシアのアレクサンドル2世の暗殺まで絡めてくるとは思わなかった。
個人的にはロシア革命まで突き進んで欲しいとさえ思っている。
我々が知らなかった北海道、日本、極東、ロシアの歴史とロマンを十分に堪能できる、
何よりも性別、世代を問わない作品、教科書であると思う。