灰と幻想のグリムガル / Grimgar of Fantasy and Ash / Grimgar, Ashes and Illusions

灰と幻想のグリムガル / Grimgar of Fantasy and Ash / Grimgar, Ashes and Illusions

『灰と幻想のグリムガル』とは、十文字青によるライトノベル小説が原作となった、アニメ作品。
小説は2013年より刊行、アニメは2016年1月より全12話構成で放送された。
また『月刊ガンガンJOKER』にて、2015年5月号から2016年7月号まで漫画も連載されている。
ある日突然グリムガルという異世界で目を覚まし、名前以外の記憶がなくなってしまった若者たちの冒険の物語。

Hideki6のレビュー・評価・感想

灰と幻想のグリムガル / Grimgar of Fantasy and Ash / Grimgar, Ashes and Illusions
8

実際に異世界転生したらこんなものだと思う

原作未読の状態でアニメを視聴しました。

当初は「また異世界転生して俺TUEEEアニメかな」と無礼なことを思っていたのですが、
そういったアニメとは全然違う、現代から転生した無力な少年・ハルヒロ達が、RPGのような異世界で生き抜くストーリーです。

流行りの転生したら最強&ハーレムアニメとは違って派手さはなく、雰囲気がほの暗くなんなら少し地味です。
「世界の平和は俺たちが守ってみせるぜ!」みたいなことは全然なく、「明日しっかりお金稼いで替えのパンツ買うぞ!」と意気込むような、
なんともいえない地味さがまたこのアニメの味なのだなと思います。

このアニメの特徴として、なにか大変なことが起きてもどこか淡々とストーリーが進みます。
盛り上がらない、と言われればそうなのかもしれないですが、ちょっと考えてみると現代の世界そのもののようにも取れます。
ハルヒロ達のパーティという小さな集団の中で、メンバーが命を落としてしまうという大きな事件が起きても、
世界規模で見るとそういった小さなイレギュラーなんて大して誰も気にはとめないんですよね。

それが正しいのか、そうでないのか、そういう哲学的な部分に訴えかけてくる作品だと思います。