スポ根受験物語!美大受験はこんなにも熱いものだった!
不良なのに成績は優秀な主人公が絵を描く喜びを知り、美大を志す物語です。主人公の心の躍動感を丁寧に描いており何かを頑張る全ての人に共感を持ってもらえると思います。主人公が高校二年生の夏に美大志すところから物語は始まりますが、実際の東京藝術大学は二浪三浪は当たり前の世界です。六浪して諦めた人だっています。合否に関わらず受験する人は皆相当の時間と情熱を注ぎ込むのです。そんな世界をこれからどう描いていくのか注目でもあります。女装っ子のユカちゃんも見所。
作中でわかりやすく解説なども入るので、美術や美大受験について知識のない人でも問題なく楽しむことができます。
また、実際の合格再現作品なども取り入れられており、美大入試の概要はすぐにわかります。始めたばかりの主人公は当たり前ですが、デッサンはへたっぴです。絵を描いていた人であれば共感できると思うのですが、自分ではうまく描けている錯覚が起こるんですよね。それでふと他の人の絵を見ると我に返って間違いに気づく。周囲の努力家の先輩や天才型の同級生を間近で感じ、悔しい思いをしながら必死にあがいていく主人公は、スポ根マンガにも引けを取らない熱いものがあります。芸大受験をしたことのある人にはもちろんですが、好きなことを頑張る、または頑張りたいと思っている人にもオススメの一冊です。