新世紀エヴァンゲリオン / Neon Genesis EVANGELION

新世紀エヴァンゲリオン / Neon Genesis EVANGELION

『新世紀エヴァンゲリオン』(略称:エヴァ)とは、GAINAXによる日本のテレビアニメ作品である。
ある日、主人公の「碇シンジ」がその父親に招集されるところからスタートする。そしてロボットに乗って「使徒と戦え。でなければ、帰れ。」という使命を、父親である「碇ゲンドウ」から伝えられる。
使徒とは強大かつ絶大な力を持つ未確認生命体であり、人類の敵である。
その対抗策として、人類が造りだした汎用ヒト型決戦兵器を「エヴァンゲリオン」と呼ぶ。
シンジは神経接続を介してエヴァを操縦し、使徒と戦う。
彼にとっては、父親に認められることが全てではあるが、ゲンドウが総司令官として戦う真意は、人類を守るところでも、父親としての気丈でもないとされている。
「もうすぐ会えるな、***。」
この真意を覗いたとき、シンジは狂気とエゴに踊らされていたことに気づく。
エヴァとは、1990年代の第三次アニメブームのきっかけとされる作品で、その影響力は社会現象レベルであった。
制作委員会方式を独自に採用した最初のアニメでもある。ここでの成功を得て、後続の深夜アニメが多く世に出され、21世紀以降における「アニメ文化」の基礎を築いた。
なお、テレビアニメ版、漫画版、旧劇場版、新劇場版の四作品シリーズには、多少の内容的相違が見られる。
そして、この物語全般には監督である庵野秀明の人生観が大きく寄与している。極めて斬新な内容を多く秘めている。

kedamakun88のレビュー・評価・感想

新世紀エヴァンゲリオン / Neon Genesis EVANGELION
10

子供がエヴァに乗る理由

僕がエヴァンゲリオンを初めて観たのは90年代後半になる。かれこれ20年以上も前の話だ。
当時、エヴァはすでに社会現象になっていた。スクープという鳥越俊太郎が司会をしている報道番組でエヴァの特集をしていた。ルーズソックスを履いた女子高生の二人にエヴァを観てもらい感想を聞くというもの。予想に反して女子高生の反応は興味深かったのを今でも覚えている。女子高生の一人は感動して泣いていた。ひきこもっていた僕とは真逆の存在である彼女たちの言葉にとても惹かれるものがあったので、その夜、父の車で隣町のレンタルビデオ店に連れて行ってもらった。あるのは全部借りてきて、僕は朝方までエヴァの世界観に浸った。物語は特殊ではなかった。誰にでも起こりうる話。主人公の碇シンジ(14歳)はある日、父親のゲンドウに呼ばれて、突然エヴァに乗るように命じられる。地球を守るために攻めてきた使途と戦えというのだ。シンジの心境を考えれば、はっきり言ってムチャクチャである。この時点でエヴァは他のガンダムのようなロボットアニメとは大きく違う。シンジをはじめとするチルドレンたちは誰もエヴァに乗る本来の理由について理解していない。様々な葛藤を現在進行形で抱いている。誰かの見えない力によって自分は逃れられないポジティブに追い込まれてしまったのだ。碇シンジの抱いた『逃げちゃダメだ!』という感情は現代人には非常に普遍的なものである。今もなお。おそらくは女子高生の二人もそこに引き込まれたのではないだろうか。