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タイトルなし
あまりにも有名で下世話な表現をつかえばベタでいまさら…という感じのロックバンドですが、ブルースという根源的に悲しみの歌を、快楽のエイトビートにのせたことを音楽創作の基本にした一番最初で一番最後のバンドかもしれません。ギタープレーヤーのキース・リチャーズの表現をかりれば、ロックンロールというバスに乗った最後の乗客ということのようです。
デビューから1967年ころまでは自分たちの敬愛するブルース、ソウル、R&Bのカヴァーが多かったのですが、69年に発表された「ベガーズ・バンケット」以降はブラックミュージックをベーシックにしながらもわかりやすいメロディーとビートがたった音楽構成でロックファン以外の人も魅了したナンバーが多く発表されました。そう、かくいう私もロックファンではありますが、ローリングストーンズという存在の核というかDNAにあたるブルース、リズム&ブルースに一向に魅力をかんじない、ひきこまれないものなのです。そんな私が69年から2004年までの16作すべて、喉越しよく昇華し、聴きやすく惚れ込んでしまっているのが事実なのであります。ロックもブルースが苦手な人もストーンズの曲を1曲聞いてみるのをお薦めします。曲は「友を待つ」という曲です。ぜひお試しください。