主婦力高めの幼児の生活をご覧あれ。
主人公のコタローは一人ぼっちでアパートに住んでいます。父親の暴力で両親が離婚後、色々とあって親とは一緒に暮らしていません。代わりに、お隣の部屋の漫画家さんや、下の階の住人達と楽しく暮らしています。
コタローは幼児とは思えないほど、掃除洗濯食事の用意などを一人で完璧にこなし、近所に住む大人たちからも一目おかれている存在です。普段はとても大人びてしっかりしているけれど、アニメのキャラクターが大好きで入れ込んでいたり、買い物先で見かけたおもちゃの刀を我慢できずに買ってしまったり、時々見える子供らしさには読みながら顔が緩んでしまいます。
しかし幼児が一人で生活できるわけではありません。コタローが一人でやっていけるのも、周りのたくさんの優しい大人たちの存在があるためです。それぞれのキャラクターたちには様々な過去があり、辛い思い出を抱えながらも、その経験を活かしながらコタローと接していきます。そして逆に、周りの大人たちもまた、コタローの行動や発言から、自分の考え方や他者との接し方に関して気づかされることがたくさんあるのです。そうやって互いに支えあいながら物語は展開していきます。
基本ほっこり、時に切ない話に涙を誘われ、読んでいて色々なことを考えさせられるオススメの作品です。