ハドソン川の奇跡 / Sully

ハドソン川の奇跡 / Sully

『ハドソン川の奇跡』とは、日本で2016年に公開されたヒューマンドラマ映画。2009年に実際に起きた“ハドソン川の奇跡”と言われたUSエアウェイズ1549便不時着水事故と、その後の知られざる真実を描いている。俳優・監督として活躍を続ける名匠クリント・イーストウッドが監督を、主演を名優のトム・ハンクスが務めている。英名タイトルは、機長の愛称でもある「SULLY」。第40回日本アカデミー賞最優秀外国作品賞を受賞。

6aryuji0418のレビュー・評価・感想

ハドソン川の奇跡 / Sully
10

シンプルかつ丁寧にまとめられた作品

実話を元にしたストーリーでしたが、とても良かったです。
機内でのハプニングをメインに描いているかと思っていましたが、事故後の機長の心理描写をメインに描いています。40年の経験、実績からの自信を持ちながらも自分の下した判断に揺れていく機長サリーの心情をトム・ハンクスがとても巧みに演じていました。
私は良い映画でもちょっと中だるみがあって途中飽きてしまったり、この内容で2時間もいる!?とよく思ってしまうのですが、これは1時間30分程で無駄もなく、むしろこの時間でよくこんなに上手くまとめられたなと思う程でした。なので機内のハプニングシーンがメインではないですが飽きることなく、でも何か静かな緊張感みたいなものを持ちながら観ることが出来ます。
私が一番胸を打たれたのは、不時着して乗客が全員脱出した後も誰もいない機内をまだ誰か残っていないか必死に探すサリーの姿です。
誰だって自分も助かりたいはず。たとえ仕事とはいえ赤の他人を自分を犠牲にしてまで守れるのでしょうか?
サリーの使命感と責任感の強さに脱帽しましたが、人間としても本当に素晴らしい方なんだなと感じます。
乗客にとって操縦士の方って普通はアナウンスの声を聞くのみで顔も見ないままですよね。私はよく飛行機を利用するのですが、当たり前に乗っていることを当たり前と思わずに、つい忘れがちな感謝の気持ちを持ってこれから飛行機に乗りたいです。
とても良い映画でした。