現代社会に潜む"悪"
2019年に放映された"JOKER"は、DCコミックスバットマンに登場する悪役ジョーカーの誕生の経緯を描いた作品だ。急に笑い出してしまうという精神病を患った、主人公アーサーは、貧しくも母と二人で暮らしている。昼間は大道芸人、ピエロとして働き、いつかはコメディアンとなり、憧れの存在であるマーレーフランクリンのショーに出ることを夢見ていた。ある日不良の少年に襲われ、店の看板を損失してしまったことで生きる希望でもあった職を失ってしまう。そんな中、政治悪化の影響により福祉サービスが打ち止めになり発作の薬を受けられなくなる。精神病も患っているため社会にも溶け込めず、苦渋の果てにも報われない。
彼はこの世界では無力だった。
舞台は架空の都市ゴッサムシティであり、時代設定も現代ではないが、我々にも彼に共感できるところが多々あるのではないかと私は感じた。現代社会の日本に住む我々に貧富の格差はあまり無いといえるが、彼と同じく"無力"である人が実は多くいると思う。
ジョーカーは悪役として登場しているが、悪はなにから生まれるのか、勧善懲悪とはなんだったのか、そんな問いがこの作品に込められていると感じた。
最後に、バットマンという作品をとてもリスペクトされた作品だとも思うし、とにかく現代社会に生きる多くの人に観て感じてほしい我々の価値を。