こちら葛飾区亀有公園前派出所 / こち亀 / KochiKame: Tokyo Beat Cops

こちら葛飾区亀有公園前派出所 / こち亀 / KochiKame: Tokyo Beat Cops

『こちら葛飾区亀有公園前派出所』とは、日本の漫画作品である。通称『こち亀』。作者は秋本治(あきもとおさむ)で、1976年から2016年まで『週刊少年ジャンプ』にて掲載された。一度も休載がなく連載され、『週刊少年ジャンプ』に連載された作品としては、歴代最長の連載記録となっている。単行本は全201巻となっており、2021年に『ゴルゴ13』に抜かれるまでは「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」としてギネス記録にもなっていた。
本作品は、東京都葛飾区にある亀有公園前派出所に勤務する両津勘吉(りょうつ かんきち)を主人公としている。両津の同僚やその他の人物たちと繰り広げるやりとりが魅力のギャグ漫画である。舞台は東京都葛飾区亀有地区や東京都台東区浅草が中心だが、ストーリーの展開によっては、天国や過去など、現実では行くことができない場所が舞台となることもある。1996年にはアニメ化され、2004年まで毎週日曜日の夜に放送された。

mihoko10226のレビュー・評価・感想

こちら葛飾区亀有公園前派出所 / こち亀 / KochiKame: Tokyo Beat Cops
8

ベストオブマニアック!時代と共に移り変わるネタの多さにド肝を抜かれる!

長年にわたり週刊少年ジャンプにて連載していたレジェンド級のコメディ作品。
単行本に至っては200巻まで出ており、ファンの年齢層も幅広い。

あらすじはシンプルで、亀有公園前派出所勤務の主人公、両津勘吉(以下両さん)を中心に展開する日常ギャグ漫画である。
主人公の性格は非常に破天荒で荒っぽく怒りっぽい。連載初期のころには一般市民や野良猫にまで発砲するほどの人物である。おまけにギャンブル狂いで勤務中に競馬中継にかじりついていたり、パトロール中にパチンコ屋でさぼるなど、ここに挙げるだけでもとんでもない男であることが分かると思う。
ここまで読んでなぜクビにならないか、と思うだろうがそれにはちゃんとわけがある。両さんを警官につなぎとめているものは圧倒的な検挙率にある。検挙率というのは発生した事故、犯罪に対し、解決した件数のことを指す。つまり勤務態度はめちゃくちゃだが仕事はきっちりこなしているということになる。

上述のように粗暴な両さんだが、生まれが東京浅草ということもあり、人情味あふれる描写も多い。そのせいか連載初期のころには近所のホームレスが派出所にたかりに来て無下にも出来ずに招き入れるシーンもある。両さんがやんちゃで人の温かさも持つ、感情的なキャラクターだったことが長期連載の一因ではないかと思う。

両さんも相当キャラが濃いが、部下や同僚、上司までも一癖も二癖もある人物ばかりである。全員分書いているとキリがなくなるので割愛するが、ここまで濃いキャラばかりでバランスが悪そうに感じるが、それは現代における警察官というきわめて普遍的な舞台設定にあると思う。

連載の期間に警察組織、日本も大きく変容し、連載初期、終盤とでは絵のタッチ、雰囲気とも大きく変わっている。それもまた読者を飽きさせず、長く続けてこれた要因だろう。もしまだ読んだことのない方がいたらぜひ一度読んでみてほしい。
ちなみに200巻のどこから読んでも差し支えはない。逆に1巻から読もうとすると高確率でそろわなくなる可能性がある。しかし本当に多くのキャラクターが登場するため、相関図など頭に入れるのに時間を要するものもある。また初期のタッチはなかなか過激なので最近の単行本でまず読んでみて、作風が合うと感じたら初期作品に挑戦するほうが良いだろう。