インターステラー / Interstellar

インターステラー / Interstellar

『インターステラー』とは鬼才クリストファー・ノーラン監督が世に放った壮大なSF映画である。最新技術と物理学者の協力によって映像化された、物理法則に忠実で当時最も本当の姿に近いといわれたブラックホール、ワームホールが話題となった。何年も雨が降らず、深刻な食糧問題を抱えた、人類滅亡の危機に瀕する近未来。元宇宙飛行士のジョセフ・クーパーは、居住可能な星を探す計画、「ラザロ計画」にスカウトされることになる。クーパーは娘に必ず戻ると約束し、広大な宇宙へと旅立った。果たして彼は人類を救うことができるのか。

punichanmama4のレビュー・評価・感想

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インターステラー / Interstellar
10

宇宙好きにはもちろん、そうでない人にもおススメします。

異常気象により地球全体の食糧不足が深刻化している中、元宇宙飛行士である主人公の周りでも砂嵐に何度も襲われ家業のトウモロコシ畑が絶望的な状況になり暗澹たる日々を送っている。そんな中、世間の常識からは人類の月探査が作り話とされ、NASAも身を隠すようにひっそりと地下活動をしているという沈んだ雰囲気での始まりとなり、見ている方も未来のない感じに「人類はどうなっていくの?」と異常気象の災害が多くなっている「今」にオーバーラップさせられるのだ。
そんな中、自宅の不思議な現象を読み解く中である座標を解明し、人知れず活動していたNASAを知り、そこで昔の仕事仲間だったブランド教授と出会う事から物語は進み始めます。彼の計画は、重力をコントロールするための方程式を見つけ、大規模スペースコロニーを宇宙に建造し、人類を移住させる。そうして別の惑星を探して移住をする事。しかし教授の内心では、その方程式は解けない事が最初から分かっていて、本心は受精卵を保管し、移住先の惑星で人口培養する事だった。
そうと知らない主人公たちは、人類のために宇宙へと旅立つのであった。そしてワームホールを利用することで、候補の惑星を探査するのだけれど、宇宙での映像がすばらしく、また現実味をもって一緒に体感できるのがこの作品の良いところです。結局は候補惑星は住むには無理な事が分かり、最後はブラックホールに突入していくシーンは事象の地平面の表現も雄大で、いつの間にか四次元空間にたどり着くという、とんでもないスケールに圧倒されます。
そこでは、いくつもの時間が重なる自宅の娘の部屋と繋がっていて、家に降りそそぐ砂と重力波を利用して、娘に二進法(バイナリ)とモールス信号で重力のデータを送る事に成功、娘が人類を救う立役者となるのだ。宇宙好きには、四次元空間や宇宙の映像をこんな表現ができるのか!と思える納得のストーリーと映像となっています。必見です。