ダンサー・イン・ザ・ダーク / Dancer in the Dark

ダンサー・イン・ザ・ダーク / Dancer in the Dark

『ダンサー・イン・ザ・ダーク』とは、2000年公開のデンマーク映画。監督はラース・フォン・トリアー。世界的に知られる歌手・作曲家のビョークが主演を務めた事で話題になった。どこまでも救いようの無いストーリー展開とショッキングなラストも相まって、公開後10年以上経った今も尚「後味悪い系、鬱映画」の代表として君臨し続けている。また、作中の楽曲もビョークが手掛けており、その中でも「I've Seen It All」はゴールデングローブ賞、アカデミー賞ともにノミネートされるなど高評価を得た。

1sadd9866のレビュー・評価・感想

ダンサー・イン・ザ・ダーク / Dancer in the Dark
8

後味の悪い映画

とても後味が悪い映画でした。予告ではビョークが歌っており、とても楽しそうだったのに、まさかミュージカル部分は妄想だったとは思いませんでした。辛いときは歌を歌うというのは、彼女なりの対処法だったのでしょう。なんか、見ているこっちは余計辛い気がしましたが、何かを歌で紛らわすということもある話なので、共感できました。目が見えなくなる病だなんて、とても大変そうです。自分だけでも辛いのに、息子にまでその病が遺伝しているなんて、母からしたら自分のせいだと自分が許せなくなるでしょう。そのために必死でお金を貯めたのに、悪い人に騙されてとられてしまって、なんてかわいそうなんだと思いました。そこから落ちる一方で、全然救いがありませんでした。なんだかんだ言って、彼女はきっと助かるよねと思いながら見ていましたが、そんなことはなく、好きな歌を歌いながら処刑されていくなんて、ほんと見た後で落ち込みました。息子さんには強く生きてほしいと願わずにはいられない、そんなラストでした。救いがないし、評価は別れる作品かと思いますが、私は好きな作品です。ひどい話ですが、それが真実なような気がします。最後に希望を与えて終わったのでは、この映画は完成しなかったと思います。