人間の価値観を考えさせられるSFヒューマン漫画屈指の名作
寄生獣は1988年から1995年まで岩明均によって描かれたSF青年漫画です。緻密なプロットで無駄の無い展開、しかも10巻完結なので休日の一気読みにはオススメです。しかし、バトルではグロいシーンも登場するので、苦手な方はあらかじめ心の準備をしておきましょう。
物語は人間の脳に寄生する謎の生物がある夜、大量に降り注ぐ場面から始まります。主人公である高校生・泉新一は、謎の生物からの進行を右手で食い止め、寄生されてしまいます。右手に寄生した生物を「ミギー」と名付け、共同生活をスタートさせます。しかし、不完全な寄生をはたした新一とミギーに対し、寄生に成功した謎の生物が次々と襲いかかります。新一の通う学校への襲撃、新一の母の死など次々と事件は起こります。寄生生物との戦いで深手を負った新一は、傷口をミギーの一部と同化することにより異変が訪れます。人間以上の身体能力、人間らしい感情の欠如など徐々に変化していく新一。その姿にガールフレンド・村野里美も離れていってしまいます。自身の変化に戸惑い悩む新一ですが、寄生生物のある策略を知ります。それは寄生生物による街の侵略でした。この計画を阻止する為、新一は謎の生物と最後の闘いを決意します。知的な寄生生物・田村玲子や最強寄生生物・後藤などクセの強い寄生生物から新一は人間社会を守れるのか。本作では、人間と寄生生物、異なる価値観をバトルや語りを通じて「生きるとはなにか」という普遍的テーマを投げかけてきます。読み終えたときには、自身の価値観について考えさせてくれる名作です。