凛として時雨 / Ling tosite sigure

凛として時雨 / Ling tosite sigure

男女のツインボーカル、迫力満点のドラミング、個性的な歌詞とサウンドが特徴的な3ピースロックバンド・凛として時雨。
2008年のメジャーデビューからわずか2年でオリコン1位のアルバムを世に送り込み、瞬く間に人気バンドとなった。
メンバー各自のソロ活動も並行して行いつつも、ライブを中心に活動を続けている。

arina81q9のレビュー・評価・感想

凛として時雨 / Ling tosite sigure
10

狂気が織りなす最高のオルタナティブ・ロックバンド 凛として時雨

凛として時雨は、vo/gtのTK、ba/voの345、ドラムのピエール中野から構成されるスリーピースのロックバンドです。TKの高速アルペジオと、それに畳みかけるようなピエール中野の高速ドラムワーク、激しく動き回る345のベースラインは、聴くものを置き去りにするような、独特のサウンドを作り出しています。凛として時雨の特徴は、何といってもハイトーンボイスが重なり合うツインボーカルでしょう。TKの金切り声のような狂気に満ちたハイトーンボイスに艶やかな345のコーラスが重なり、その唯一無二の歌声に、人間の内面世界を抉り出すような、意味深な歌詞が乗り、独特な世界観を構成しています。曲調としては、ポストロックともナンバー・ガール以降のオルタナティブロックともとれるような雰囲気があり、矢継ぎ早に繰り出される変拍子、変調でリスナーを上下左右に揺さぶります。一聴してみると、音が散乱していて、まとまりのないような印象を受けますが、聴きこんでいくうちにその魅力にじわじわと引き込まれていくはずです。近年はアニメのタイアップでキャッチ—なメロディーの曲も増えてきていますので、そこから深みにはまっていくのもよいと思います。音楽体験に鋭い衝動を求めている方、ぜひ「凛として時雨」ご一聴ください。