【漫画】聲の形はどうして読むべきなのか
聲の形という作品を一度は聞いたことがあるのではないだろうか。このマンガがすごい!2015(宝島社)にてオトコ編第一位を獲得し、2016年には劇場版アニメーションが制作された話題作だ。耳に障がいを持つ西宮硝子、小学生の頃西宮をいじめたことを後悔し、不器用ながらも西宮のために行動を起こす石田将也を中心に物語は進む。いじめと障がいという比較的扱いづらいテーマにもかかわらず、この作品の人気が出た理由はキャラクターに対する圧倒的な感情移入のしやすさだろう。誰もが一度は経験したことがあるであろういじめやからかいが起きたときの空気感が見事に描かれており、そこから生じる後悔や罪悪感、自分を正当化する感情の動きを見事に表現している。さらに物語の中盤では、石田視点で描かれていた物語がそれぞれのキャラクター視点で描かれ、表面には現れていなっかた心の動きを垣間見ることができる。それぞれのバックボーンを知ることでそれまでの行動の意味を理解することができ、読み終わったあとにはもう一度読みたくなるのだ。聲の形は7巻で完結するのだが、この少ない巻数でここまで心を動かされる作品は稀有だろう。誰もが共感でき、読むとちょぴり苦しくて、でも読まずにはいられない聲の形、おすすめだ。